2008年ベストドラマ
昨日、今日と「瞳 総集編」を見ていたのですが、意外によくまとまっていました。まあ、本編に無駄なエピソードが多すぎたから、かえってすっきりしたのかもしれませんが。あと、後日談的な新しいシーンを入れて、回想形式にしたのも効果的でした。
中でも、純子と由香、萌と一緒にダンスを取り組む部分はなかなか良かったと思います。ただ、体が大きいせいか、榮倉奈々が一番動きが鈍く見えてしまう所は問題だったと思います。一応、ドラマ中でも、瞳はダンスの天才といった設定にはなっていませんので、最小限のフォローはしていますが。
あと、本編放送中にさんざん話題になっていた、KENの棒読みもしっかり出てきて懐かしかったです(笑)。ただ、やはりダンスのシーンはとても格好良く、本物だなと感じさせるものでした。
今の「だんだん」には、こういう、目指そうとする世界で実際に活躍している人は出てこないので、マナカナがこれから流行歌手への道を歩むといっても説得力が出てこない原因の一つではないかな、と思います。まあ、「だんだん」の話は別の機会に。
さて、2008年も今日で終わりですが、私なりに今年良かったと思うドラマを5本書こうと思います。
第5位「鹿男あをによし」
このドラマの放送された木曜10時枠では「ラスト・フレンズ」が高視聴率でしたが、最終回でドラマのバランスが崩壊してしまったので、こちらを採ります。
主演の玉木宏のなんとなく神経質そうな演技、綾瀬はるかの天然でほのぼのした感じが良かったと思います。あと、多部未華子も、いかにも武道を嗜んでいそうな、硬質な雰囲気の女子高生役が良くはまっていたと思います。ちょっとマドンナ役の人は微妙でしたが。
全体的に流れるセピア調の雰囲気が好きでした。奈良という、あまりドラマで出てこない場所を選んだのも効果的だったのではないかと思います。
第4位「あしたの、喜多善男」
「鹿男」もですが、1月期のフジテレビ系は、ある意味視聴率をあまり気にせずにマニアックなドラマ作りに走った印象があります。個人的には大歓迎ですが、経営的にはどうなんでしょうね?
主演が小日向文世という段階ですでに低視聴率は覚悟していたと思いますが、やはりそうでした(苦笑)。ただ、ネガティブ善男とポジティブ善男の切り替えとか、全く別人格を演じる演技力は素晴らしかったです。コンビを組む松田龍平も、いかにも胡散臭そうな男を好演していました。善男の元妻役の小西真奈美も、冷たく悪そうで裏のある役が合っていたと思います。特筆すべきは、売れなくなりかかったアイドル役の吉高由里子で、周りの人を振り回す天然系の演技が実にはまっていました。まさに「偽エリカ様」といった感じでした(笑)。
第3位「フルスイング」
このドラマは12月の再放送時に見たのですが、感動しました。主演の高橋克実が実に良かったです。本当に生徒のことを思いやる高校の先生という感じがしました。魂の熱演だったと思います。他の役者さんもみんな素晴らしかったです。
エピソードひとつひとつも、現在の課題をそれぞれ反映していながらどぎつくなく、先生と生徒、あるいは家族が心をぶつけあって解決していくという、珠玉のものが揃っていたと思います。昨年の「ハゲタカ」に劣らぬ、NHK土曜ドラマの秀作です。
第2位「流星の絆」
今年最後を飾る素晴らしいドラマだったと思います。
役者さんの気合いの入った演技(特に、二宮、戸田、要潤、三浦が印象に残りました。錦戸君は意外に目立ちませんでしたが、今回は料理で言うとスパイスのような役割を演じていたのかもしれません。)と、だんだんと明らかになっていく真相、意外な結末と、連続ドラマを見る醍醐味を満喫できる作品でした。
あと、このドラマでは、兄妹の絆、親子の絆、恋人の絆といった、さまざまな絆の強さを感じることが出来たと思います。最初はコメディー調が強く、どうなるか心配でしたが、有明家の兄妹の復讐の物語という本線と途中からは上手く融合できたのではないかな、と思います。最終回の後味も非常に良かったです。
第1位「ゴンゾウ~伝説の刑事~」
初回を見たときは良くある1話完結の刑事物だろうと思っていたのですが、とんでもない間違いでした。
主演の内野聖陽は、元エリート刑事だが、恋人を自分の過失で殺されたというトラウマを抱えて用具係にいる警察官という難しい役付けを熱演していました。時には熱すぎる位でしたが(笑)。見ていて飽きませんでした。恋人役の池脇千鶴も、ちょっとアンニュイな、薄幸そうな女性を好演していましたね。こんな役もできるのですね。
他にも、最近いい人キャラが多かった筒井道隆の切れ者刑事ぶりや、屈折した過去を持つ犯人を熱演した内田朝陽など、これまでのイメージを一新するような役を俳優さんに振り分け、それを演じ切らせたのも評価できると思います。
次第に明らかになっていく登場人物の過去、新しい事実の発覚、意外な真犯人など、最終回を見て初めてすべてがわかる、かなり奥深いドラマだったと思います。また、結構バラバラだった警察署内のメンバーがだんだんまとまっていき、最後は犯人目指してそれぞれの立場で団結、協力していく姿にはカタルシスを感じました。刑事物でこういうドラマを作り、しっかりまとめてくる制作陣は素晴らしかったと思います。
それだけでなく、最終回のゴンゾウ大出血など、「そりゃないだろう(笑)」といった突っ込みどころをあちこちに入れていたのもエンターテイメントとして良かったです。
と、5つあげてみましたが、第3位以上は実際は差がないような気がします。
来年以降は、テレビ局も制作費が厳しくなって、ドラマの質にも影響しそうな気がしますし、現に出演者を見ると影響が現れているような印象もありますが、演技、演出、脚本の3拍子揃ったいいドラマが、1クール1~2本でいいから現れることを期待したいものです。
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