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2009年3月22日 (日)

「グローバル恐慌」を読んで思ったこと(映画版 ハゲタカ(その3))

映画版「ハゲタカ」のストーリーにも大きな影響を与えているとされる、この半年ほどの世界的な景気の激変ですが、どうも背景とかよくわからないので、新聞の書評を参考に、「グローバル恐慌」(浜 矩子著 岩波新書)を読んでみました。

読んでみても、やっぱりよくわからないところも多いですし、理解力が足りない部分も多いのですが、この15年ほどは、金融の動きが、物の売買に基づいた実体経済を大きく超える状態が拡大してきたのですが、それが限界に達し、大きな揺り戻しが来ている状態ということのようです。

アメリカ経済は、債権の証券化という方法などで資金を運用し、どんどん金融の拡大を図ってきました。最近までのアメリカの好況はこれが原因だったのですが、この拡大は実体経済とは乖離したものにどんどんなってきて、サブプライム問題に代表されるようについに限界が来ます。その結果、債権が焦げ付いてしまい、証券、金融業界全体がいっぺんに大打撃を被り、当然ながら消費にも大きな影響が出ます。

さらに、現在はグローバル経済ということで、世界中の金融業界はより有利な運用を求めて深く結びついています。このため、この打撃は欧米を始め、世界中に広まっていったという事のようです。日本ももちろん例外ではありません。

こうやってみると、ドラマ「ハゲタカ」が放送された2007年とは、状況が激変したことがわかります。外資系ファンドの豊富な資金力と余裕は今はありません。あのドラマの世界がたった2年後に過去のものになっていようとは、流石に思いませんでした。経済の流れの速さは凄いものだなと感じますし、この分野でドラマを作っていくことの難しさを感じます。

ただ、このような難しい状況の中で、制作スタッフが中国ファンドに目を付けたのはなかなか慧眼だと思います。なんだかんだ言っても、それなりの経済成長率を維持し、実体としての消費マーケットを持つ中国は比較的傷が少ないように見えるからです。しかし、外資の資金力の裏付けのない鷲津がどうやって中国ファンドと戦うか、説得力のあるストーリーを提示するのはかなり難しいような気がします。

あと、なにより恐ろしいのは、中国経済が激変することです。傷が少ないように見えるといっても、中国もダメージを負っているのは間違いないし、いろいろな課題があります。このあたりが上映前に噴出しないことを祈るばかりです。映画の話以前の問題ですが、本当にそう思います。

そうそう、「ラブシャッフル」の最終回でちょっと気になったのは、今まで書いてきたような経済の激変をみていくと、諭吉が株式運用で資金力を維持しているのは嘘くさくないか?(諭吉が芽衣の父の会社を買い取るのはちょっと生々しかったので、今でも違和感があります。)ということです。

ただ、野島伸司は、登場人物のリアリティをあえて捨てて、華やかさを選んだんだろうなとも思います。夢のある恋愛ドラマなので、それは正しい割り切りではないでしょうか?

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