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2009年6月26日 (金)

「妻よ!松本サリン事件犯人と呼ばれて」について

一般的にはサリン事件というと「地下鉄サリン事件」の方が有名ですが、個人的には、このドラマで取り上げた「松本サリン事件」の方が印象に残っています。

この事件の当時、私は就職活動中でしたが、マスコミの報道の洪水が一方的に犯人像を作り上げていくことが、とても恐ろしく感じました。罪もない人を社会的に抹殺しかねないという点では、ある意味、この時のマスコミもオウム真理教と変わらないんじゃないかな、と思った記憶がありますし、本質的に、そういった過ちを犯すおそれは相変わらず消えていないような気がします。

このドラマを見て、そういった点は改めて感じました。とりあえず、マスコミ報道を鵜呑みにしない賢さが求められているような気がします(といっても、なかなか冷静さを保つのは難しいことですが。)

あと、警察があの手この手で主人公、河野さんを犯人にしようとする手口にも嫌悪感を覚えます。丁度、先週の「刑事一代」と同じような手法ですよね。あれはあれで感動しましたが、やはり、詐欺まがいの捜査っていかがなものなのでしょうかね。「刑事一代」のスタッフがこのドラマを見ていたらこのあたりについて聞いてみたい気もします。

それにしても、手法が変わらないのに、刑事を主人公にすると、多少の違法性はかまわないという気になるし、こういう、冤罪をテーマにすると、違法性のある捜査は良くないと思うし、印象が全く変わってしまうのには気をつけないといけないと思います。

さて、ドラマ自体ですが、ドラマ部分と当時の映像、現在の家族のインタビューがバランス良く入っていて、なかなか上手だったと思います。

それにしても、絵に描いたような幸せな家庭を襲った悲劇、警察やマスコミにも負けずに支え合う家族の姿が素晴らしかったです。特に、母親の欠けた家族を一生懸命まとめる長男の姿が印象に残りました。当時15歳なのに、よく頑張ったなあと思います。演じた浅利陽介も良かったです。河野さん役の石黒賢もあまり濃くなりすぎない演技で、良かったと思います。

この事件を取り上げると、どうしてもマスコミの過剰報道に触れざるを得ないので、マスコミそのもののテレビ局としては難しいところも合ったと思いますが、フジテレビはわりにこういう番組が上手で、ある程度マスコミの対応も批判的に取り上げていました、結構あざといところも多かったのですが、まあ評価していいのではないかな、と思います。正直言って、良作だったのではないでしょうか。

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