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2009年9月19日 (土)

再生の町 第4話

先週は「なみはやニュータウン」事業を中止して、そのお金で住宅、福祉等をまかなうという方向なのではないかと思ったのですが、どうもそのような安易な結論は採らず、「なみはやニュータウン」事業を凍結した上で、住宅、福祉部門も(少しは復活させたんでしょうけど)メスを入れるという、かなりもの凄いことになっています。流石、現在最も硬派なドラマを生み出しているNHK土曜ドラマです。我ながら読みが甘いなあ、とちょっと反省です。

このような四方八方に敵を作るような方針が反発を生まないはずはなく、市民に公開しての関係局折衝は本当に厳しいやりとりになります。前回までにしっかり市政の現場の姿を描写してきたのが効いていて、住宅、病院などの部局の反対する声には本当に真実味があると思います。

また、もちろん権藤(近藤正臣)も黙っているわけがなく、市長(吉田栄作)を恫喝したり、ニュータウン賛成派の決起集会を開いたり、計画推進へ向けてありとあらゆる手を尽くす構えです。でも、どうも権藤も国会議員の意向を受けて動いている面もあって、(このあたりもリアルですよね。)「ニュータウン」を凍結したら、国からの補助金が来なくなり、市が成り立たなくなるとプロジェクトチームを恫喝します。

まあ、ありそうな気もしますが、国土交通省の予算は厳しくなるかもしれませんが、別に厚生労働省とか経済産業省の補助金には関係ないだろうから、影響は限定的なんじゃないかなあ、とちょっと思いました。あと、民主党政権に変わったことで、計画見直しはかえって喜ばれるかもしれません(笑)。まあ、ドラマの企画時期では政権が変わることを織り込んで脚本を作るのは流石に無理でしょう。こういう時勢を織り込んだドラマの難しいところですね。それにしても、権藤は怖いです。近藤正臣の演技が素晴らしいんでしょうけど、こういう議員っていそうだよなあ。

また、権藤の主張する、「ニュータウン」自体が本当に不必要なのかという点も、実は難しい課題です。人口を増加させ、産業を育成して税収を増やすというビジョンを推進するのはある程度道理があるのが始末に悪いです。個人的には、人口減少社会には合わないビジョンだと思うのですが、スタンス自体を全く捨ててしまうと、都市の発展の可能性を失ってしまうことにもなりかねません。まあ、バランスの問題なんでしょうけど。

一方、プロジェクトチームは各部局の声を一生懸命聞いています。こういう声をしっかり受け止めて毅然として対応する間宮(岸部一徳)は素晴らしいリーダーだと思います。でも、市長にしっかり直言し、チームをまとめ、議員にも堂々と対応する。こんな人って多分いないよなあ。誰からも歓迎されない仕事を、市政のために黙々とこなす姿には正直感動しました。あとは、彼の志を高岡(筒井道隆)たちがどう受け継いでいくかですね。

というわけで、もう来週最終回ですが、ちょっとどういう着地点を見いだすのか見当も付きません。今日の折衝での課題はどれも解決が難しそうなテーマばかりです。市民に公開しての議論をしていることが解決の鍵になるのかなあ。高岡をはじめとしたプロジェクトチームはどういう再生ビジョンを示すのか、結論を注意深く待とうと思います。

追記:今日もBS-hiで見たのですが、前番組が「白洲次郎」を3話ぶっ続けだったようで、さすがに全部見た人は疲れたろうなあ、と思います(笑)。

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