2009年ベストドラマ(前編)
今年を総括してみると、特に春ドラマ(4月~6月)が個人的には不作でした。一応、「臨場」を見ていましたが、昨年の「ゴンゾウ」と比較するといまいちでした。正直、「ベストドラマ」を5本選べるのだろうかと不安になったりもしましたが、なんとか持ち直したような気がします。というわけで、私の選んだ5本です。
第5位 「ブザー・ビート」
第4位 「ラブシャッフル」
この2つはまとめて書きます。正直、どちらが上でも良いと思っています。「ブザー・ビート」は昔良くあったコテコテのラブストーリーの展開をしっかりと踏襲していたし、「ラブシャッフル」は90年代バブルのようなある意味セレブな世界での恋愛ドラマになっていて、どちらの構成もコンセプトがはっきりしていて、好感が持てました。個人的には、最後は「ブザー」で直輝(山下智久)が菜月(相武紗季)でなく莉子(北川景子)を選んだ展開も、「ラブシャッフル」でうさたん(玉木宏)が芽衣(貫地谷しほり)でなくアイアイ(香里菜)を選んだ展開も、同じくらい納得できるストーリーだったと思います。
で、「ラブシャッフル」を上位にする理由ですが、2番手以下のカップルのつなげ方にあります。「ブザー・ビート」も悪くはないです。秀治(溝端淳平)と麻衣(貫地谷しほり)のくっつけ方は、これまた定番ですが、上手にまとめたと思います(余談ですが、この2つのドラマ、貫地谷にとっては順位が逆になりそうな気もします(笑))。ただ、「ラブシャッフル」は、特に菊リン(谷原章介)と玲子さん(小島聖)の結ばれ方が凄く綺麗でした。最初は玲子さん、結構嫌いなキャラクターだったのですが、全然印象が変わりましたもん。このあたりの透明感ある描写は野島伸司の真骨頂かな、と感じます。
視聴率的には意外に振るわなかったのですが、最後までどっちとくっつくか?とわくわくしながら見るのもいいもんだな、と改めて思った両作品でした。
(追記)タイムリーにも、こんな記事を発見しました。
http://ocntoday.blogzine.jp/pickupranking/2009/12/2009_3e60.html
この両ドラマから、1,3,7,8位にランクされております。でも、「ラブシャッフル」からも2組ランキングされているのに、忘れられているのはひどいなあ。旺ちゃん-海里も野島伸司らしいカップルのつなげ方で、好きでした。
第3位 「再生の町」(丁度、BS-hiで放送中です。)
ドラマのテーマって、やはり医者とか刑事とか恋愛ものとか多いわけですが、このドラマは非常に異色でした。普通の地方自治体の普通の地方公務員、高岡(筒井道隆)が主人公で、もの凄い鬼才は出てきません。筒井道隆って、良くも悪くも「普通」の印象で、そういう点では、普通の人が主人公のこのドラマに合っていたと思います。
テーマも財政破綻に瀕した地方自治体について、その事業の無駄を洗い出して再建していこうというもので、とても時代に合ったリアルなテーマだったと思います。正直、こんなに上手く行くの?とか疑問に思うこともあったのですが、国でも「事業仕分け」を行ったりして、これまでの拡大だけではやっていけないのは明らかです。そういう意味で、特に、このドラマについては、時代のニーズを的確に捉えた企画力が高く評価できると思います。
程度の差こそあれ、これからの日本の自治体は、「こっちも立て、あっちも立て」というやり方ではドラマ中の「なみはや市」のように破綻の危機を迎えるとおもうので、住民と話し合いながら、どの事業が本当に大切か、よく考えた上で、本当に必要なものを選び出していくことと、そのことで生じる軋轢に負けない強さが求められるのではないでしょうか。大変な時代になったものです。
ちょっと余談ですが、今年の特徴として、「官僚たちの夏」「不毛地帯」といった戦後高度成長期を描いたドラマが注目されましたが、視聴率的には厳しい結果に終わっています(「不毛地帯」は終わっていませんが)。これは、やはり、エリートたちが復興期の中で上を目指してどんどん事業を拡大していくという図式が現代の時代には馴染まないからじゃないかな、と思います。このあたり、フジテレビやTBSは時代の流れが読み切れていないのかもしれません。
(長くなるので、後編に続きます。)
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