« 北海道旅行(2010年GW)(5月1日~2日) | トップページ | 冷却ファンについて »

2010年5月 5日 (水)

その街のこども(再放送)

「ハゲタカ」と「ちりとてちん」の演出に両方とも関わった井上剛さんという人がいます。「ハゲタカ」ではサンデートイズ編、「ちりとてちん」では小草若(茂山宗彦)の「寿限無」での号泣→草若復活という、伝説の第7週「蛙の子は帰る」をそれぞれ担当していて、私がNHKの演出陣では一番注目している人です。

ちょっと余談を書くと、「ハゲタカ」の演出というと大友啓史さんがクローズアップされるわけですが、その後の大友演出のドラマはどうも、映像を綺麗に見せるのが中心で、ストーリー部分が弱いように思うんです。「白洲次郎」は特にそう思ったし、「龍馬伝」もそういう傾向がちょっとあると思います。それに比較して、井上さんが演出する場合は、ストーリーもしっかりして、バランスのいい話が来ることが多いように思います。(もっとも、たまたまそういう脚本が回ってくるだけかもしれませんが。)

「その街のこども」も井上さんが演出したということで、前から見たかったこのドラマですが、今日、再放送をしていたので見ることができました。

内容自体は、阪神・淡路大震災を経験した男女が、震災の日から15年を迎える日の前日に新神戸駅で知り合い、1月17日、震災の追悼行事が行われる公園の前で別れるまでの出来事を追ったものですが、湿っぽ過ぎず、ドライすぎず、ドラマのトーンが絶妙です。

また、友人の死といった震災での悲惨な出来事や、震災をもとに一儲けした人といった影の部分、また、震災をきっかけに安全性を重視しようとしてもできない建設業の現実など、様々な事柄を盛り込んでいますが、駆け足感がないのも流石です。当時の映像とか、ラストでは実際の追悼の映像とかも流し、ドキュメントとドラマの中間的に見せているのも良く工夫されていると思いました。このあたり、井上演出の力でしょうか?あるいは脚本家の渡辺さんが上手なのかもしれません。

それと、このドラマは基本的に森山未來と佐藤江梨子の2人で話が進んでいくわけですが、どちらもとても自然な演技で良かったです。両方とも震災体験者ということで、とても感情のこもった演技だったと思います。

特に、佐藤江梨子がここまで良いとは思いませんでした。これまで、そんなに好きな女優さんではありませんでしたが、正直、見直しました。震災を扱ったドラマということで、特に一生懸命取り組んでいたのではないでしょうか。このドラマの記者会見時に、当時の交際についての質問をされて、ドラマと関係ない質問に悔し涙を見せたというのも頷けます。

これだけ真面目で良質で、本人も思い入れがあるドラマの会見で関係ない質問をされたら、怒って当然だよなあ。質問したマスコミは場違いだと思わないのでしょうか?本当におかしいです。

というわけで、演出、脚本、俳優すべてが高いレベルでまとまった良作だったと思います。見て良かったです。一つだけ不満を挙げると、深夜とか休日の夕方とか、放送時間が悪すぎるような気がします。土曜ドラマの時間帯を使って放送してもいいのでは?それだけの価値はあると思います。

|

« 北海道旅行(2010年GW)(5月1日~2日) | トップページ | 冷却ファンについて »

テレビドラマ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/140658/48278436

この記事へのトラックバック一覧です: その街のこども(再放送):

« 北海道旅行(2010年GW)(5月1日~2日) | トップページ | 冷却ファンについて »