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2010年10月31日 (日)

龍馬伝 第44回

 今日は捨て回だと思っていたら、予想外に面白かった。イカルス号事件がきっかけでキリシタンであることがばれてしまった元(蒼井優)が追われるのはどちらかというとサブストーリーです。

 印象に残るのは、これまでただの引き立てキャラだった長崎奉行 朝比奈(石橋凌)の意外な切れ者ぶりです。元が「龍馬がいなかった」と言うのを聞きとがめるあたり、流石は住本さんの上司(外事警察)だけあります(笑)。

 まあ、結局目的は達成できなかったけど。余さんも出ているし、イカルス号水兵殺害の真犯人を探しに海援隊員が聞き込みに回るあたり、なんか刑事ドラマみたいでちょっと新鮮でした。

 (余談ですが、石橋凌というと、かの大河「武田信玄」で、個人的な大河名場面で5本の指に入る、神の軍勢と化した上杉謙信の猛攻に惨敗して敗走する信長を演じているのが印象に残っています。大河で信長が敗走するのって他に記憶がないんですよね。このときの柴田恭兵はまさに神の化身と言う感じで、異様に格好良かったです。今は芝野さんのような枯れた役が似合ってますけど(笑)。)

 一方で、龍馬(福山雅治)がらみはちょっと微苦笑を誘われるような展開。

 元が追われていることを知った龍馬は元を一生懸命探します。朝比奈にとっては元より龍馬を捕縛するのが目的なのは明白なのに、なんとも無茶苦茶な(笑)。でも、その後、イギリス公使 パークスと直談判して、ラストの落ち着きどころ、元をイギリスに送るところにストーリーをつなげるので、仕方ないのかもしれません(ただ、実際のところはパークスとの交渉は後藤が行ったらしい。)。

 もっとも、感動的な別れ(というほどでもないけど)というところなんでしょうけど、イギリスに行ったら、生活費とかどうするんだろうとか、現実的なところが気になります(苦笑)。

 これで龍馬と元のエピソードは終わりだと思いますが、どうも、理想論だけが語られていて、あまり上手なまとめではなかったように思います。「みんなが笑って暮らせる国」なんて、簡単にできるわけないではありませんか!

 対照的に、今週も土佐の男たちが現実的な生き方を見せているのが嬉しいです。

 後藤(青木崇高)は容堂(近藤正臣)に、幕府に大政奉還を薦めるように働きかけます。怒った容堂に足蹴りにされます(苦笑)が、「土佐藩を新しい時代の中心に」と考えを曲げません。容堂が後藤を突き放したりしないところに、土佐藩の変化の兆しを見るんですけど。

 弥太郎(香川照之)も、必死に朝比奈を説得したり、商売拡大への執念が凄まじくなってきました。相変わらず騒々しい動きなのですが、何しろ商売の成り行きがかかっているんだから、必死にもなるでしょう。生き方に筋が通ってきたと思います。

 最後に、沢村(要潤)。龍馬が前面に出られないとき、代理として奉行所に出向いて、朝比奈と渡り合う姿がとても男らしかったと思います。とかくキャラの立たない海援隊の中で、一歩抜け出たのでないでしょうか。

 というわけで、序盤の刑事ドラマ風の描写と、弥太郎、沢村、後藤の描き方の良さを評価して、今週はぎりぎり合格点の6点かな?ちなみに、同時期の「風林火山」はなんといっても「あの」寅王丸が出てくるあたりなので、「龍馬伝」のほうが良いかも(苦笑)。

 そうそう、カメラワークについてここで一言。「龍馬伝」がどうも騒々しくてせせこましい印象に見えるんですが、アップの場面が多すぎるのが原因のひとつではないかと思いました。

 今週なんか、海岸の場面でも俳優さんのアップばかりですし。

 実は「龍馬伝」に市川亀治郎が出ると聞いて、「風林火山」での亀治郎さんの初登場場面を見たくなって、久々に第2話を見たのですが、ラストのミツの村に勘助が帰ってくる場面なんか、ミツの走ってくる場面(ややアップ)→勘助の歩いてくる場面(ややアップ)に続いて、二人が橋の上で近づいていく場面はわざと遠目から写していて、夕方の美しい田園風景ともあいまってとても印象的に描写していました。画面もクリアーだったし(苦笑)。

 もちろん私は素人ですけど、「龍馬伝」もアップ一辺倒ではなく、遠景をいれるとか、もう少し絵作りにもバリエーションを入れたほうがスケールが大きく見えたんではないかなあ、と思います。もっとも、同じ「風林」でも、合戦描写は俯瞰を入れるとスカスカに見えていまひとつだったので、使い方は難しいような気がしますが。

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