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2010年12月 5日 (日)

「実写版 ヤマト」は面白かった。

「SPACE BATTLESHIP ヤマト」を見てきました。注目の「キムタク ヤマト」、笑える部分満載だろうと見に行ったのですが、どうしてどうして、泣かせる映画でした。(ネタバレもあるので注意)

ただ、原作ヤマトでもよく言われる、たとえば「何で敵艦隊はヤマトが波動砲を発射するまで逃げないの?」という疑問には「ヤマトの世界はそういうもの」と割り切ることが大事だと思います。個人的には、この映画では、不思議にそういう部分は気になりませんでした。

以下で、この映画でよく問題として(?)挙げられる「キムタクが古代っておかしくない?」とか「森雪がパイロットってどうなの?」といった点などを含めてつらつらと書いていきます。

主演の木村拓哉は「いつものキムタク(苦笑)」ですが、実は、古代進には合っていると思います。考えてみると、アニメ第1作の古代は正義感が強いけど、結構無鉄砲で、勝手に発進してコスモゼロを壊したりしているわけで、リアルに考えれば懲罰を食らっておかしくないレベルです。そういう見方をすると、キムタクのキャラとの親和性は非常に高いような気がします。

なお、この映画の古代はそうはいっても腕は立つし、情には厚く、後輩の面倒はちゃんと見るので、「チーム・古代」ができるのも自然だと思いました。雪との関係もリアルに考えれば、あんまり不自然には思いませんでした。あと、宣伝とかで、木村拓哉があんなに熱くヤマトについて語ってくれていたのが、昔のファンとしてはとても嬉しかったです。。

次に、森雪がパイロットになっちゃった点。脚本の方が「原作の森雪の設定は70年代~80年代の女性像で時代に合わない」と書いていましたが、確かに、「さらば」以降の雪は昔ながらの守られるキャラクターの印象が強いので、そういわれれば、その通りだと思いました。というか、70年代ですでに「ガンダム」なんかセイラさんはパイロットになっているし(笑)。そう考えれば、別におかしくないように思います。

まあ、キムタクドラマのヒロインとしてはよくあるツンデレタイプですが、彼女をパイロットにしたおかげで雪を古代と共に戦わせても不自然じゃないとか、いろいろ話しに広がりができたし、原作どおりの設定では描き得ない決着を可能にしたので、これまた実は設定変更は大成功なのではないかと思いました。

また、黒木メイサは精悍な顔立ちの美人で、勝気なパイロットがとても良く似合っていたし、中盤のクライマックスではとても綺麗で、まるで女神のようでした。実際にどうだったか興味のある方はぜひ劇場に足を運んでください(笑)。この映画の森雪としては沢尻エリカよりは適役だったのではないかと思います。

ちなみに、原作の森雪的な存在ですが、通信士の相原を女性という設定(演じたのはマイコさん)にして、ちゃんとフォローをしていました。実は意外に登場機会が多かったですが、第一艦橋の勤務がほとんどなので、ドラマのヒロインとしてはやはり話しに広がりが出なかっただろうな、と思います。

ストーリーとしては、アニメ第1作がベースですが、中盤以降は「さらば宇宙戦艦ヤマト」のエピソードが相当に入ってきます。ラストでは「完結編」のテイストまで取り入れています。個人的にはこのストーリー構成に一番驚かされました。

特に、真田さんと斉藤の「さらば」でのエピソードが出てきたときは、「ええっ、この話が出るの?」と思い、正直感動しました。真田役の柳葉さんも、斉藤始役の池内さんもよくイメージに合っていたと思います。

あと、個人的に気に入ったのは、原作ではイスカンダルから放射能除去装置を提供するというメッセージを受けて旅立つのに対し、こちらでは、イスカンダルからは直接放射能除去装置についての言及がなく、地球が助かるかどうかは行ってみないとわからないという賭けの要素をより強くしたこと。

この映画は、基本的に「少しでも可能性があればそれに賭け、前向きに取り組む」という健全なスタンスで貫かれていて、この設定変更で、そのスタンスがよりブレがないものとして伝わってくると思います。また、沖田の指揮官としての判断の辛さ、厳しさを、若い古代や雪が当事者として直面することでだんだんと理解し、一生懸命考えながら彼らが成長していくところも自然に描かれていると思います。

そういうところや、先ほど書いた森雪の設定変更など、脚本の佐藤嗣麻子さんってとても上手な脚本を書かれたと思う。そのほか、パンフレットを見るとスタッフ陣の多くが自分と同世代で、原作へのリスペクトを強く感じました。

配役も沖田艦長役の山崎さん、徳川機関長役の西田さんなど、原作のイメージに近い人が多くて驚きました。

あと、島大介を子持ち設定にしたことで、人間関係をシンプルにしたのも評価できると思います。原作では「完結編」で島が死ぬんですが、この場面で雪への秘めた思いを披露してしまうところが、あまり好きではないので。緒形直人も意外に合っていました。ただ、こういう設定だと死んでしまう場合が多いので心配していたのですが、最後に生き残ってほっとしました(笑)。

そうそう、映像も悪くはないです。少なくとも脚本の足は引っ張っていなかったと思います。やはり、ドラマは脚本命ですから、そちらを評価したいですが、SF映画ですから、あんまり映像が寂しいのも問題だし、そういう意味では、映像、脚本、演技のバランスがいい映画だと思います。多分、監督の山崎さんって相当力量ある方なんだろうと思います。

結論ですが、木村拓哉の古代は意外に合っているし、メイサ森雪も悪くないです。こういう部分で毛嫌いするのは勿体無いと思います。自分と同世代の「ヤマト」を見た世代が原作のテイストを残しながら一生懸命アレンジして作った頑張りが伝わってくる映画なので、特に「さらば宇宙戦艦ヤマト」に感動した人ならぜひ見てほしい映画です。ただ、封切4日目の名取エアリの土曜日にしては、お客さんが少なかったのがちょっと気になるところです。興行的にも成功するといいなあ。

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