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2011年3月 6日 (日)

TAROの塔 第2話

このドラマ、なかなか感想をまとめるのが難しいのですが、第2話も良くまとまってました。

青年になった太郎(濱田学)は両親とパリに行きます。それにしても、お金持ってるな、一平(田辺誠一)。

そこで、画家を目指す太郎を叱咤するかの子(寺島しのぶ)の演技が光ります。

というか、このドラマ、登場人物の決めの台詞がとても格好いいし、的を得ています。かの子だけじゃなく、一平とか、後半の敏子(常盤貴子)も、良い台詞を与えてもらうことによって、とても俳優さんが輝くわけです。

大森信者の自分としては、「さすが大森寿美男さんだ」とここでも思います。なんとなくですが、この、決めの台詞への力の入れ方は「JIN」の森下佳子さんと共通するものを感じました。

あと、今週も、青年期、万博の時期を行ったり来たりするわけですが、万博期の「太陽の塔」をめぐる太郎(松尾スズキ)と丹下健三(小日向文世)の対立の描写も興味深かった。

自分の作品のど真ん中に穴を開けて、大きなモニュメントを作るというのではそりゃ丹下さんでなくても納得しないと思うんですけど、それが、万博のコンセプトの「調和」を示すことに気づいて、難しい作業だけど了解する丹下さんがまた格好いい。

あと、この場面では、理想を追求する芸術家と、あくまで実用を考える建築家の立場の違いというのがよく出ていたと思います。丹下さんの立場からすると、建築物としてのまとまりからはああいうモニュメントを入れるなんてありえないと思うんじゃないかなあ。そこを敢えて了解させる太郎と、了解する丹下さん、両方の人物の大きさがよく出ていたと思います。

というわけで、やっぱりこのドラマの魅力を書くのは難しい。でも、優れた脚本と演出が、役者の実力を存分に引き出している秀作だと思いますよ。ドラマ終わってから大河「江」の予告が出てくるけど、あのドラマの制作陣とか、「TAROの塔と比較して、自分たちのドラマ作りはなんて卑小なんだろう。」と、恥ずかしくないのかなあ。まあ、総合的感想は終わってみないと書けないけど。

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