6月に新しい望遠鏡「GINJI-150FN」を購入しました。
笠井トレーディングで販売している口径15センチ、焦点距離600mmの反射望遠鏡で、同じスペックのレンズをニコンとかキヤノンで買おうとすると100万円以上するものが、32,000円で買えちゃうという極めてリーズナブルな(笑)商品です。
もっとも、ファインダーとかコマコレクターとかアクセサリーを合わせて揃えていくと本体価格と同じ位かかるのですが(苦笑)。
7月はテストしようにもとにかく天候が優れなかったのですが、8月に入って東北地方も梅雨明けしたので、MR2に機材を積み込んで早速出撃です。
この時期だと、観測には距離的にも空のポテンシャルでも本来蔵王が一番適しているのですが、珍しく海沿いのほうが晴れそうだったので、室根山にチャレンジしてみました。(余談ですが、一関からのR284の流れが夜なのに意外に悪くて、結構時間がかかりました。)
室根山は標高895m、山頂まで舗装された車道があるので、観測には好適です、と言いたいところですが、当初狙っていたキャンプ場とか、山頂の天体観測施設の周りの駐車場は、建物の灯りが煌々と燈っていて使えません。公共施設なので、防犯上とかやむを得ない面もありますが、少々残念でした。
仕方ないので、道路の待避所に車を止めて撮影を始めました。昔と違って、露出時間が1分とか短時間でも撮影が可能になったので、車が来てもなんとかなります。
「GINJI-150FN」の感想ですが、まず、ネットでも指摘されているのを見ましたが、接眼部の作りの詰めが甘いのが気になりました。
ピントを固定しようとしてネジを締めると、ピントが動いてしまうのには結構困りました。締め込んだ段階で丁度ピントが合うように見込みつつ調整するという高度な(?)テクニックでなんとかしましたが、厳密には合ってないだろうなあ。(ピント合わせ自体はライブビューで星を拡大して、スパイダーの回折像が綺麗な十字を描いたら合焦という感じで、比較的楽な気もします。)快適に撮影するには接眼部を改造した方がいいのかもしれません。
あと、星像もなんかいびつだし、光軸とか合っていないのかも。自分はそこそこ綺麗に撮れていればいいので、そんなにこだわりませんが、より良い写真を撮りたい方は気をつけた方がいいと思います。
もうひとつは、ファインダーが接眼部の右側についているので、使おうとすると接眼部が邪魔になって非常に使いづらかったです。これは逆側についていた方が良かった気がします。
それでは、作例です。余談ですが、さっき地震がありましたが、丁度これらの画像をいじっていたところでした。怖かったです。被害がないといいのですが。
最初に撮ったのはM27(あれい状星雲)です。この星雲はカワセミみたいな色が綺麗で、惑星状星雲の中で一番好きです。写真写りもいいし。

2013年8月3日23時48分 EOS KISS X6i GPD赤道儀で電動追尾 露出30秒×2コンポジット
さすがはF4という明るい光学系です。ISO6400という高感度で撮ったのもありますが、露出30秒でここまで写るのは驚きです。まあ、細かいところはいろいろ粗があるんですが(苦笑)。
フィルムの時代は最低20分位ガイド撮影しなければこのレベルの写真は取れなかったことを考えると、いい時代になったと思います。
次がM33です。これはちょっと露出不足の感があります。(実はこの前にM57も撮ったのですが、無改造一眼デジカメなので、赤が全く出ず、M27と同じような発色になってしまったので、ここには出しません。)

2013年8月3日23時48分 EOS KISS X6i GPD赤道儀で電動追尾 露出60秒×2コンポジット
といった感じで、不満もないわけではありませんが、大きめの星雲、星団を気軽に撮影するには十分使えそうというのが感想です。いろいろ撮影して行こうと思います。
あと、ついでにアンドロメダ銀河とすばるの写真もアップしておきます。どちらもEF200mmF2.8に1.4倍テレコンを組み合わせて撮ってます。ISOは6400です。

こっちが定番のM31アンドロメダ銀河

こっちはすばる(M45)
すばるのほうは露出60秒×4コンポジットですが、アンドロメダ銀河の方は露出60秒、1枚もので特に画像処理してません。この画像を見て思ったのですが、室根山はやはり相当光害は少ないと思いました。撮影地の標高が800m以上と、海岸部にしては結構高度を稼げるのもいいのかもしれません。条件が揃えば蔵王と比較してみたいです。
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