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2014年1月

2014年1月25日 (土)

光害カットフィルター LPR-Nのテスト

天体写真に関しては、今までは「暗い場所に行けばいいや。」と、あまり光害とか気にしなかったのですが、室根山とか田束山とか行っても、結構漁火が気になるし、バックグラウンドの灯りは少しでも抑えることに越したことは無いかな、と最近思うようになりました。

そこで、サイトロン社の「LPR-N」フィルターを買いました。このフィルター、あちこちのブログで結構好評のようですし、何しろリーズナブルです。48mmサイズで、一万円でお釣りが出ます。

このサイズにしたのは、自分の持っている笠井トレーディングのコマコレクターも0.6倍レデューサーも48mmフィルターが取り付け可能なので、BORG100EDもGINJI-150FNにも対応可能というのが理由です。

というわけで、月齢が良くなるのを待って、テスト撮影に行ってきました。場所はこの間の0.6倍レデューサーのテストの時と同じ岩沼市です。

この撮影地は、南と東はまあ暗いのですが、少し離れたところに運送会社の配送基地があって、結構水銀灯が気になります。冬の天の川は見えないので、結構光害はあるんだろうと思います。

当日は天気が下り坂で、時間との勝負だったので、フィルターなしの画像を撮影する余裕はありませんでした。

まずはJPG撮って出しの画像です。おなじみM42です。

Imgp03911

カメラはK-5Ⅱs、望遠鏡はGINJI-150FN、ISO12800、露出時間は40秒です。

バックが青くかぶってますが、Lightroomのホワイトバランス補正であっさり補正できます。星雲の細部がバックのかぶりに埋もれていないので、画像処理のベースとしてはノンフィルターよりはるかに扱いやすいです。

391398

こちらはRAW画像を画像処理後、8枚コンポジットしたものです。色調とかまあ見られるかなという感じになってます。

413416

この馬頭星雲は4枚コンポジットです。8枚コンポジットした画像もあるのですが、仕上げる画像を間違えてしまいました(苦笑)。

大体条件は上のM42と同じですが、露出時間が45秒です。この画像の感じだと、ノータッチで1分位はいけそうな気もします。

というわけで、「LPR-N」フィルター、結構光害に効果を発揮すると思いました。海沿いの漁火対策にも威力を発揮しそうです。

それはともかく、GINJI-150FNですが、やはり光軸がずれていそうです。

明るい輝星に出る十字の光条が二重になって、しかも並行ではなく交わったりしています。画像の星の形もいびつだし、ピントを合わせるときも星の形が楕円状になったりします。

光軸のずれだけでなく、主鏡が圧迫されて歪んでいたりとか、いろいろ原因が考えられますので、対策を立ててみようと思います。まずは光軸のチェックです。

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2014年1月12日 (日)

画像処理ソフトをいろいろ試す

前にも少し書いたんですが、K-5Ⅱsで少し困るのが、RAW画像の使い勝手の悪さです。

天体写真の画像処理を行うとき、私の場合、①RAW現像②コンポジット③後処理(レタッチ)

といった手順を取ります。

キヤノンのDPPの場合、バージョンアップでコンポジットが行えるようになったので、このソフト一つで大体の処理は出来たので、EOS KISS X6iの場合はあまり画像処理ソフトの必要は感じていなかったのですが、ペンタックスのPDCU4の場合、コンポジットは行えない(はず)、RAW現像と後処理の使い勝手も悪いというわけで、サードパーティのソフトについて検討してみることにしました。

(余談ですが、上であげた①②③は、有名なPhotoshopを使えば申し分ないのですが、毎月数千円もadobe社に貢ぐのはちょっと厳しいです(苦笑)。)

それとは別に、天体画像処理について勉強してみようと思い、「Photoshop Elementsではじめる天体写真のレタッチテクニック」(西條善弘著 誠文堂新光社)を買ってみました。

この本は基本的な天体画像処理の手法が分かりやすく、一通り書いてあるので、その手法に忠実に画像処理をしただけでも相当に立派な写真が出来ると思います。非常に勉強になりました。

1.Photoshop Elements12

まずは、この本で紹介されていたPhotoshop Elements12(以下PE)の体験版をダウンロードして試してみました。

PEの場合、上であげた①②③は一通り行えます。ただ、レイヤーによるコンポジットが8ビット処理でしか行えないのが短所かな、と思ってました。

実際試してみると、レベル補正により色の修正は非常に行いやすいです。これでもいいかな、と思ったのですが、肝心のコンポジットが上手くいきません。こりゃいかんな、と思いました。

2.ステライメージ7

で、次にステライメージ7です。これも体験版をダウンロードしました。

このソフトも①②③は普通に行えます。特に、自動コンポジット機能は便利です。また、さすがに天体画像処理用に開発されただけあって、オートストレッチ機能を使うと色かぶりの補正も容易に行えるなど、多彩な機能は使いこなすと強い味方になりそうと思います。

ただ、どうもRAW現像がPhotoshopと比べると綺麗でないという話を聞いたり、あとお値段も少々高めというのも二の足を踏むところです。年末にいろいろ出費もかさんだので、ちょっと見送ることにしました。

3.Photoshop Lightroom5

次はPhotoshop Lightroom5(以下LR)です。これまた体験版をダウンロードしました。

このソフトはこのままではコンポジットができないというのが短所だったのですが、特にノイズ処理は上手ですし、発色もいいとRAW現像とレタッチは抜群に優れています。お値段も比較的リーズナブルです。ちょっと操作系が分かりづらいところもありましたが、マニュアル本を読むとそれほど難しくありませんでした。というわけで、このソフト買いました。

4.YIMG

課題のコンポジットはLRでRAW画像を下処理した後、TIFFに変換して、DPPで行おうと思っていたのですが、このYIMG というフリーソフトで行えることがわかりました。

YIMGも試してみたのですが、これ自体で①②③全て行えます。自動コンポジットが出来るのもポイント高いです。ただ、RAW現像自体はLRの方が綺麗に行われるような気もするので、コンポジットを中心に、LRと分担すれば、ステライメージ7に劣らぬ処理が行えそうです。

以下にX6iで撮影した画像に各ソフトで特に処理を加えずにRAW現像を行い、JPGに変換したものを載せておきます。(YIMGは2種類アルゴリズムがあるので両方載せます。)

Img_1811dpp
DPP

Img_1811lightroom2
Lightroom

Img_1811ying1
YIMG1

Img_1811ying2
YIMG2。なんか好みの問題かも(苦笑)。

ちなみに、少々ソフト自体は実用本位で、分かりやすいとはいえませんが、ダウンロードしたファイルの中にHTML形式でしっかりとしたマニュアルがあるので、これを読むとなんとか使えると思います。

ただ、このソフトの場合、TIFFで保存すると、LRではカラーバランスが乱れるのが欠点です。想像ですが、48ビットTIFFをLRでサポートしていないのかもしれません。ただ、YIMGで作成したTIFF画像をDPPでいったん開いてから上書き保存すると、修正できますので、実用上は問題ないと思います。

140112m4512

K-5Ⅱsで撮影し、LR+DPP+YIMGで画像処理したすばるです。BORG100ED+0.6倍レデューサーでF3.8にISO12800でも20秒露出だとさすがに露出足りないんですが、4枚コンポジット+LRによるノイズ低減で結構見られるようになってます。

というわけで、LRとDPP、それにYIMGを組み合わせればRAWからの16ビット処理による画像処理が一通り出来ることが判明したので、この手法で当面やってみたいと思います。いずれはステライメージ7あってもいいな。

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2014年1月 5日 (日)

0.6倍レデューサー試写の結果

年末年始にいろいろ揃えた機材のテストに昨夜行ってまいりました。

場所は岩沼市。仙台空港よりやや南の場所です。天気が微妙だったのと、冬ということで、地面の雪がないところにしようというわけで選択しました。

ここは以前、アイソン彗星の撮影に使ったのですが、ちょっと誤算だったのは、北側に運輸会社の倉庫かなんかがあって、照明が結構まぶしいのです。あと、雲も結構飛んでくるというわけで、あまり露出をかけられませんでした。

注目の笠井0.6倍レデューサー+BORG100EDの試写結果ですが、こんな感じです。対象はおなじみ馬頭星雲です。

14010412

さすがに0.6倍ということで、それなりに無理をしているのは否めないところで、結構周辺減光があるのと、周辺部ではコマ収差がやはり出ているというのはありますが、個人的には許容範囲内です。

ただ、使っているカメラがAPS-Cサイズなのでコマ収差が周辺部に収まっていますが、、例えばEOS6Dのようなフルサイズのデジカメの場合は画面上広い範囲にコマ収差が出そうな印象を受けます。

あと、若干輝星に青いにじみが出ているような印象もあります。個人的には気になりませんが。

結論としては、「十分使える!」という感じです。天文雑誌入選とか目指すには厳しい感じもしますが、自分のように短時間露出でいろいろ撮ろうという人には合っていると思います。

なお、この撮影にはペンタックスのK-5ⅡSを使いました。このカメラはネット上では「赤い星雲がよく写る」と評判ですが、写した限りでは「そう?」って感じです。この位だと、前から持っている無改造のEOS KISSX6iでも写りそうな気もします。暖かくなったら比較テストしてみたいです。

もっとも、それなりに露出時間をかけるとまた変わるかもしれません。まあ、色ノイズは少ないし、ディテールも感度上げても崩れないのは美点だと思います。

なお、この写真はISO12800で撮影し、JPEG画像を15秒露出×8枚加算平均+トーンカーブ等の処理をしました。処理ソフトはキヤノンのDPPです(笑)。ペンタックスのPDCU4はネット上の評判通り、あまりに使い勝手が悪いので、使い慣れたDPPで処理しました。

ちなみに、K-5ⅡSはインターバル撮影可能なリモートスイッチもキヤノン用が共用できるのでありがたいです。

というわけで、なんとか機材テストが出来て良かったです。東北の冬は寒いので天文趣味は一旦冬眠して、春に再開したいと思います。

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2014年1月 3日 (金)

0.6倍レデューサーのBORG100EDへの取り付け

久々の更新です。

やはり天文関係とかはブログの方が表現しやすいので、こちらを上手に使うことにします。ただ、タイトルをそろそろ変えようかな。

さて、私はBORG100EDを結構前から持っています。ちょっとF値が暗い(F6.4)し、BORGのF4レデューサーは10万円近くするので手を出す気はしないというわけで、ほとんどお蔵入り状態でした。

そこへ現れたのが、笠井トレーディングの「ED屈折用0.6×レデューサー」。お値段は23,000円。2インチ差込で望遠鏡に接続します。

これを使うと、384mmF3.8という、ビクセンのVSD100F3.8とほぼ同スペックを実現できてしまうというわけで、冬ボーナスを活用して買ってみました。

ただ、さすがに焦点距離が短くなるので、そのままでは微妙に合焦しません。

そこで、ドローチューブホルダーを外し、代わりにBORGのM77.6→M68.8ADで直接鏡筒にヘリコイドMを接続し、BORGのマウントホルダーSSを介して2インチ差込を可能にします。

さらに、GINJI-150FN用に買っていた笠井の2インチスリーブ延長筒(35ミリ)を挟んでレデューサーを差し込んでカメラをつないだら、無事合焦しました。

Dsc028161

ちなみに、これが取り付け後の状態です。背景が雑然としているのは無視してください(苦笑)。

というわけで、スペック上はかなり明るい光学系のわけですが、果たして星像とか大丈夫なのか、大いに気になります。何しろ、BORGのレデューサーの3分の1以下の値段ですし(笑)。

というわけで、早くテストしたいです。

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