比較テスト K-5Ⅱs vs EOS KISS X6i
K-5Ⅱsですが、無改造機でも赤い星雲が良く写るとの評判がありますが、実際のところどうなのかと思っていました。
先日、タムロン70-200mmF2.8(A001)を入手しました。これで、手持ちのキヤノンEF200mmF2.8(Ⅰ型)とほぼ同条件で撮影できるようになったので、比較テストをしてみることにしました。
テストを行ったのは5月23日。ちなみに、翌日の24日はきりん座流星群の極大日だったわけですが、当日は宮城県地方は曇ってしまいました。この流星群は極大の期間が短いようで、前日はほとんど群流星は流れていなかったと思います。流星群自体もそれほど大規模な出現ではなかったようです。
撮影地は神割崎ですが、この日は前回と違って、南の光害が結構激しかったです。恐らく、撮影時間が比較的早かった(22時~1時、前回は2時ごろスタート)ことと、透明度自体が低かったことが影響していると思います。そろそろ透明度重視で蔵王とかに行った方がいいのかもしれません。
なお、到着したのが21時ごろでしたが、駐車場入り口に街灯が点灯していて、ちょっと焦りました(点灯していても、光が当たらない場所を選べば撮影は可能だと思います。)が、21時20分位には消灯して一安心。
というわけで、22時ごろ撮影を開始しましたが、この日は結露が物凄かったです。メインで使っていたA001の方は、レンズに付着する露を拭っても1分で白くなってくる有様でした。EFレンズの方は時々撮影して、その間はキャップをつけていたので結露しませんでした。
それでは比較結果です。ビクセンGPD赤道儀に2台のカメラを同架しての撮影です。
ちなみに、両方ともライブビューでピントを合わせたのですが、EFレンズの方がピントの山をつかみやすかったです。単焦点というのも効いているのでしょうか?あと、カメラの操作系に関していえば、タッチパネルで絞りとか操作できるX6iの方が何かと使い勝手がいいと思います。
まずは北アメリカ星雲。撮影時刻は23時14分。ISOは6400、絞り開放、露出60秒です。最初はほぼ画像処理なしの画像です。
X6iの方は露出オーバー気味になっている感じです。計算上露出量が一緒のはずなのにここまで写りが違うのは結構驚きでした。結露の有無とか効いているのかもしれません。
次は、Lightroomでレベル補正とか行った画像です。
赤い星雲はk-5Ⅱsの方が写りがいい感じはしますが、個人的にはX6iの画像の方がメリハリ効いていて綺麗だなと思いました。ちなみに、画像処理はX6iの方が楽でした。なお、ノイズについてですが、Lightroomの場合、細部を残しながら上手にノイズを消してくれるので、意外に両者差がない印象です。
次は先日も撮ったM8,20です。時間は0時23分。こちらはf3.5に絞っています。露出時間、ISOは同じです。大体北アメリカ星雲と似た傾向です。同じように最初は画像処理ほぼなしの画像です。
全般にK-5Ⅱsの方が緑にかぶっている印象です。光害の影響を受けやすいのかもしれません。
画像処理後の画像です。
こちらも思ったより写りに差が出ないなという印象です。
ここでレンズについても触れておきます。
星像に ついてはズームレンズというハンデを乗り越え、A001が健闘していると思いますが、前回も現れた明るい輝星のハレーションに加え、画像の一部だけで星像が流れたように写ります。ワイド側でも傾向が変わらないので、レンズの問題だと思います。メーカーに調整に出してみようと思っています。こういうときは新品レンズは有難いです。
一方EFレンズの方は、星が全般に青白く写ります。これは昨年M31やすばるを撮影していたときも気になっていました。もっとも、これはこれで綺麗なので、別にいいかな、と思っています。
というわけで、K-5Ⅱsが物凄い解像度と赤い星雲の写った画像を叩き出して、X6iを寄せ付けないだろうという事前の予想はあっさり外れた感じです。これだけ写ればX6iで十分かも(苦笑)。
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とかで高感度でのデータを比較してみると、K-5ⅡsはEOS 6Dにもさほど遜色ない解像度と低ノイズの画像という印象ですが、実地で撮影してみるとまた別の結果が出て面白かったです。
こうしてみると、ステップアップしたいキヤノン党は素直に6Dを買うのがベストかもしれません。あと、初心者にもキヤノンの方がお薦めだなあ。今回のEF200mmF2.8みたいに安くて明るい高性能レンズが中古で沢山あるし、操作性も分かりやすい。その辺ペンタックスは厳しいです。
ただ、K-5Ⅱsはデザインが精悍な感じで格好いいし、発色も独特で買って損した感じはしませんが。今回は結露の影響も大きかったかもしれないので、また別の機会に試してみようと思います。
(追記)
K-5Ⅱsの名誉のために、8枚の画像を加算平均でコンポジットした北アメリカ星雲も載せておきます。
コンポジットの成果あってか、ノイズも少なく、前よりは自然な画像です。こうやって見るとF2.8で十分使えそうです。
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