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2014年5月

2014年5月25日 (日)

比較テスト K-5Ⅱs vs EOS KISS X6i

K-5Ⅱsですが、無改造機でも赤い星雲が良く写るとの評判がありますが、実際のところどうなのかと思っていました。

先日、タムロン70-200mmF2.8(A001)を入手しました。これで、手持ちのキヤノンEF200mmF2.8(Ⅰ型)とほぼ同条件で撮影できるようになったので、比較テストをしてみることにしました。

テストを行ったのは5月23日。ちなみに、翌日の24日はきりん座流星群の極大日だったわけですが、当日は宮城県地方は曇ってしまいました。この流星群は極大の期間が短いようで、前日はほとんど群流星は流れていなかったと思います。流星群自体もそれほど大規模な出現ではなかったようです。

撮影地は神割崎ですが、この日は前回と違って、南の光害が結構激しかったです。恐らく、撮影時間が比較的早かった(22時~1時、前回は2時ごろスタート)ことと、透明度自体が低かったことが影響していると思います。そろそろ透明度重視で蔵王とかに行った方がいいのかもしれません。

なお、到着したのが21時ごろでしたが、駐車場入り口に街灯が点灯していて、ちょっと焦りました(点灯していても、光が当たらない場所を選べば撮影は可能だと思います。)が、21時20分位には消灯して一安心。

というわけで、22時ごろ撮影を開始しましたが、この日は結露が物凄かったです。メインで使っていたA001の方は、レンズに付着する露を拭っても1分で白くなってくる有様でした。EFレンズの方は時々撮影して、その間はキャップをつけていたので結露しませんでした。

それでは比較結果です。ビクセンGPD赤道儀に2台のカメラを同架しての撮影です。

ちなみに、両方ともライブビューでピントを合わせたのですが、EFレンズの方がピントの山をつかみやすかったです。単焦点というのも効いているのでしょうか?あと、カメラの操作系に関していえば、タッチパネルで絞りとか操作できるX6iの方が何かと使い勝手がいいと思います。

まずは北アメリカ星雲。撮影時刻は23時14分。ISOは6400、絞り開放、露出60秒です。最初はほぼ画像処理なしの画像です。

K-5Ⅱs
Imgp12561

X6i
Img_28721_2

X6iの方は露出オーバー気味になっている感じです。計算上露出量が一緒のはずなのにここまで写りが違うのは結構驚きでした。結露の有無とか効いているのかもしれません。

次は、Lightroomでレベル補正とか行った画像です。

K-5Ⅱs
Imgp125612

X6i
Img_287212

赤い星雲はk-5Ⅱsの方が写りがいい感じはしますが、個人的にはX6iの画像の方がメリハリ効いていて綺麗だなと思いました。ちなみに、画像処理はX6iの方が楽でした。なお、ノイズについてですが、Lightroomの場合、細部を残しながら上手にノイズを消してくれるので、意外に両者差がない印象です。

次は先日も撮ったM8,20です。時間は0時23分。こちらはf3.5に絞っています。露出時間、ISOは同じです。大体北アメリカ星雲と似た傾向です。同じように最初は画像処理ほぼなしの画像です。

K-5Ⅱs
Imgp12951

X6i
Img_28731_2

全般にK-5Ⅱsの方が緑にかぶっている印象です。光害の影響を受けやすいのかもしれません。

画像処理後の画像です。

K-5Ⅱs
Imgp129512

X6i
Img_287312

こちらも思ったより写りに差が出ないなという印象です。

ここでレンズについても触れておきます。

星像に ついてはズームレンズというハンデを乗り越え、A001が健闘していると思いますが、前回も現れた明るい輝星のハレーションに加え、画像の一部だけで星像が流れたように写ります。ワイド側でも傾向が変わらないので、レンズの問題だと思います。メーカーに調整に出してみようと思っています。こういうときは新品レンズは有難いです。

一方EFレンズの方は、星が全般に青白く写ります。これは昨年M31やすばるを撮影していたときも気になっていました。もっとも、これはこれで綺麗なので、別にいいかな、と思っています。

というわけで、K-5Ⅱsが物凄い解像度と赤い星雲の写った画像を叩き出して、X6iを寄せ付けないだろうという事前の予想はあっさり外れた感じです。これだけ写ればX6iで十分かも(苦笑)。

このページ
http://www.dpreview.com/reviews/studio-compare?utm_campaign=internal-link&utm_source=mainmenu&utm_medium=text&ref=mainmenu
とかで高感度でのデータを比較してみると、K-5ⅡsはEOS 6Dにもさほど遜色ない解像度と低ノイズの画像という印象ですが、実地で撮影してみるとまた別の結果が出て面白かったです。

こうしてみると、ステップアップしたいキヤノン党は素直に6Dを買うのがベストかもしれません。あと、初心者にもキヤノンの方がお薦めだなあ。今回のEF200mmF2.8みたいに安くて明るい高性能レンズが中古で沢山あるし、操作性も分かりやすい。その辺ペンタックスは厳しいです。

ただ、K-5Ⅱsはデザインが精悍な感じで格好いいし、発色も独特で買って損した感じはしませんが。今回は結露の影響も大きかったかもしれないので、また別の機会に試してみようと思います。

(追記)
K-5Ⅱsの名誉のために、8枚の画像を加算平均でコンポジットした北アメリカ星雲も載せておきます。
1405231
コンポジットの成果あってか、ノイズも少なく、前よりは自然な画像です。こうやって見るとF2.8で十分使えそうです。

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2014年5月18日 (日)

牡鹿コバルトラインの復旧状況

東日本大震災で大きな被害を受けた牡鹿コバルトラインですが、今年のGW前に全線通れるようになりました。

ただ、連休中はさすがに混みそうなので遠慮して、今日(5月18日)行ってきました。

空いている早朝に出発したのですが、高速料金を少し節約しようと仙台港北インターまで一般道で行こうとしたら、苦竹インター入り口で軽自動車が事故を起こしていてR45に入れません。仕方なく利府街道を走って利府中インターから三陸道に入ったのですが、信号待ちとかで結構疲れました。気分的には利府まででこの間の神割崎往復分と同じ位運転した気になりました(苦笑)。

その後は到って順調に進み、女川からコバルトラインに入りました。大原インターまでの北半分は以前から開通していたわけですが、より一層道路が整備されていて、交互通行は皆無、路面もとても綺麗になっていました。結構朝から走りに来ているバイクが多かったので、運転は慎重にした方が良さそうです。

あと、全線開通してから日が浅いのもあってか、日曜朝にしては他県ナンバーの一般車も結構走っていたりしていました。コバルトラインはもちろん公道で、サーキットとかではありませんので、運転を楽しみに来る方は、そのあたり留意が必要です。ブラインドコーナーとか先に何があるか分かりませんし、「流す」感じで楽しむ程度にしていた方がいいと思います。

Img_28311
大原インターです。ここから先が今回開通した区間です。

さすがに、ガードレールが設置されていなかったり、工事中の場所も多くなってきます。

Img_28331_2 Img_28342
ただ、交互通行とか相当多いかと思っていたのですが、1ヶ所(鬼形インター)だけで、舗装もしっかりされているので、走っていて全く支障はありませんでした。

Img_28374

終点の山鳥駐車場です。ここは震災以降瓦礫置き場になっていましたが、綺麗に片付けられていました。ただ、駐車場は現段階では入れないようです。

Img_28421

牡鹿オートキャンプ場方面の写真を撮ってみました。 今回はEOS KISS X6iを持っていったのですが、通常撮影だと全く不満がありません。

そして、今回のドライブの第二の目的地、御番所公園です。

Img_28601
多目的観測所はいつの間にか展望台に変身です。昔、観測所に配備されていたNJP赤道儀やMT-200といった超優秀な機材はどこに行ったのでしょうか(苦笑)。

震災で被害を受けた展望塔も様変わりです。

Img_28487

シンプルになりましたけど、綺麗でいいですね。地震にも強そう。

Img_28511
展望塔から北東方向です。金華山瀬戸が見えます。

ちなみに、御番所公園に来たのは、今週末のきりん座流星群を見据え、天体観測地として使えるようになっているかどうかの確認も兼ねてなんですが、駐車場も入れるようになっていたし、特に問題はなさそうです。

ただ、駐車場に照明があるのが気になるところです。結局、夜間に来てみないとはっきりしたことは言えなさそう。

あと、北側が展望塔のある高台になっていて視界が若干遮られるので、きりん座流星群観測については神割崎とか蔵王あたりを使った方が良さそうです。

帰路、途中の鮎川の写真です。

Img_28641
結構巨大な防波堤を作ってます。湾内が水質悪くならないか心配になります。

帰りはコバルトラインではなく、県道2号線です。こちらも前回来たときより整備が進んで、快適に走れました。コバルトラインよりも海沿いを走るので、これはこれでなかなかお薦めのルートです。

というわけで、コバルトラインの復旧で牡鹿半島の道路に関しては、震災前に近いレベルに戻った感じがします。というか、元々台風とかで交互通行になっていることも多かったし、震災前は路面が相当荒れていたので、そういう面では震災前以上に整備された感じがします。

今回は早朝に走ったので、何も食べないで帰ってきたのですが、復興商店街もあるようだし、昼食を鮎川で食べて、日中のドライブもいいかもしれません。牡鹿半島の観光に関しては着実に復旧が進んでいる感じがします。

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2014年5月11日 (日)

タムロン70-200mmF2.8(A001)のテスト

この間、K-5Ⅱsの二本目のレンズとしてタムロン70-200mmF2.8(A001)を買いました。

このレンズ、ヨドバシ価格で6万円ちょっとと、貧乏カメラマンの強い味方(まあ、別に安いわけではないけど)でありますが、ペンタックスの場合、手振れ補正機能がカメラ内に付いているので、この金額で、キヤノンの25万円以上する高級レンズと似たような機能が手に入ることになります(笑)。

ちなみに、普通にAFで試してみるとジーコジーコ盛大な駆動音が鳴って、それはそれで楽しいです。別に天体写真に関係ないですが。

実は連休前に入手したんですが、この間の室根山での撮影には忘れていってしまったので、今週末に試してみようと思ってました。幸い、10日の夜には天気が回復したので、これも初めての神割崎(南三陸町)に出撃です。

ちなみに、この日の暗夜は35分ほどと、かなり厳しい状況でした。

共通
カメラ:PENTAX K-5Ⅱs
GPD赤道儀で電動追尾(ノータッチガイド)

まず最初がアンタレス付近です。テレ側(200mm)、絞りはもちろん開放です。
1405111
撮影日時:5月11日2時13分
露出:60秒×4枚コンポジット
ISO:3200

余談ですが、YAHOOで「アンタレス」と検索をかけるとシマノのベイトキャスティングリールがいっぱい出てきます。自分はカルカッタコンクエストを持ってますが、遠心ブレーキは結構癖があって、マグネットブレーキの方が扱いやすいような気もします(苦笑)。

それはともかく、輝星に青いにじみは出てるし、アンタレスにはハレーションがあるしで、結構強烈なファーストショットでした。

なお、アンタレス付近の作例をネットで見ると青い反射星雲や赤いHⅡ領域が入り乱れていてかなり華やかなのですが、これらを表現するにはもう少し露出が必要という印象を受けました。

次が、3日夜にも撮ったいて座のM8,20です。これもテレ側(200mm)、絞り開放です。
140511m82011
撮影日時:5月11日2時32分
露出:75秒×4枚コンポジット
ISO:3200

3日の画像と比較すると、1.7倍位露出量があるはずなので、もう少し写って欲しいんですがって感じです。BORG100EDって描写力あるなと認識してしまいました。まあ、これはこれで天の川とかよく写ってると思います。

最後は、いて座付近の星雲、星団を85mm相当で撮ってみました。この時間には薄明が始まっているはずなのですが、なんとか影響を受けずに済みました。
14051111
撮影日時:5月11日2時47分
露出:75秒×4枚コンポジット
ISO:3200

この写真も等倍にすると周辺の星像の流れとか、青いにじみとか気になるのですが、この大きさでは目立ちません。

というわけで、使ってみた感想ですが、絞り開放だと星像がちょっと甘かったり、青いにじみとか、明るいハレーションとか結構気になります。出来ればF4まで絞った方がいい感じがしました。ただ、ワイド側はともかくテレ側で絞り込むのはこのレンズのメリットも殺してしまうので、悩ましいところです。

なお、星像の甘さは、時間がなくてピントを追い込めなかったというのも正直あるので、もう少し試してみる余地が有りそうです。

あと、今回はISO3200で撮影してみたのですが、細部描写とか、思ったほど精細ではなかったし、ノイズもそれなりに残るので、もしかするとISO6400にして、一段絞ってコンポジット枚数を増やした方が結果がいいかもしれません。

まあ、いろいろ書きましたがファーストショットとしては上出来だと思います。

最後に撮影地の神割崎の印象です。

この場所は、灯りのない駐車場で撮影ができるのですが、南に一軒だけある人家と、駐車場下のトイレの灯り以外は気になる街灯もなく、道路にも直接面していないという、なかなか撮影向きの場所でした。

光害ですが、真南から南南西に石巻・仙台方面の明かりが少々気になります(最初のアンタレス付近の写真はその影響を受けていると思います。)が、東北東~南南東まではほとんど光害を感じられず、少々驚きました。

特に、南南東側については、気仙沼市の影響を受ける室根山や、志津川の影響を受ける田束山より明らかに良好な状態だと思います。

また、天頂付近や北側の星空も思ったより状態が良く、3日の室根山と比べてもそう見劣りしない状態だと思いました。春の系外星雲撮影にも十分使えそうです。

あと、神割崎の大きなメリットは、比較的アプローチが平坦ですし、信号も少ないので、運転の負担が少ない点です。蔵王にしても室根山にしても、牡鹿半島にしても結構山道が続くので、運転疲れるんですよね。

というわけで、移動性高気圧が張り出して安定して晴れるときは、メイン観測地に十分なりうるポテンシャルだと思いました。もっとも、街灯が突然付いたりすることもよくあるので、あくまで「現段階では」ですが。

 

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2014年5月 5日 (月)

室根山での撮影(5月3日夜)

昨日も書いたのですが、今年初めての本格的な撮影を室根山で行ってきました。

この日は寒冷前線が通過して、午後7時ごろには仙台でも雨がぱらついたりしていて、晴れるか心配だったのですが、GPVを信じて北上したら、見事に快晴に恵まれました。

前線通過後なので、山上だと風が強いんじゃないかと気になって、ぎりぎりまで神割崎と迷ったのですが、どうやら平地でも風が強かったようなので、結果的には室根山で良かったと思います。

自分の使っている撮影地は望洋平キャンプ場の少し上の駐車スペースで、西側に山があるので風が大分遮られたようでした。そういう意味でもラッキーだったと思います。

それでは、順次アップしていきます。

共通
カメラ:PENTAX K-5Ⅱs
撮像鏡筒:BORG100ED+0.78倍レデューサー(500mmF5)
GPD赤道儀で電動追尾(ノータッチガイド)

M65,66,NGC3628
140503m656631
撮影日時:5月3日22時29分
露出:75秒×8枚コンポジット
ISO:6400

M81,82
140503m818231_2
撮影日時:5月3日23時25分
露出:60秒×8枚コンポジット
ISO:6400

この2枚を比べると、M81,82の方が露出時間が短いのに写りがいいのが面白いところです。赤緯が高いせいか、追尾もこの日の撮影の中では最も安定していました。

M5
140504m511
撮影日時:5月4日0時59分
露出:25秒×4枚コンポジット
ISO:6400

球状星団って撮ったの初めてですが、シャープな光学系で撮ると面白そう。星雲ほど露出要らないだろということで、露出時間もコンポジットも控えめです。

M8,20
140504m82031
撮影日時:5月4日1時23分
露出:35秒×8枚コンポジット
ISO:12800

ついにこのブログのタイトルにもある、いて座の天体登場です。これで格好が付きそう(笑)。

それはともかく、M8,20は天の赤道近くにあるせいか、赤道儀での追尾がどうも上手く行かず、この天体のみISOを12800にして露出時間を抑えています。それでも少々ガイドずれを起こしています。

あと、K-5Ⅱsは赤い星雲が無改造でもよく写ると名高いですが、M8の赤い星雲もM20の青い星雲も綺麗に発色していて、噂どおりの描写です。

M51
140504m5111
撮影日時:5月4日2時02分
露出:60秒×7枚コンポジット
ISO:6400

再び系外星雲に戻したのですが、M81,82と比べると追尾が安定していません。コンポジットが7枚という中途半端な枚数なのはそのせいです。赤道儀の三脚に足がちょっとぶつかったので、極軸がずれたかもしれません。

M27
140504m2711
撮影日時:5月4日2時24分
露出:60秒×8枚コンポジット
ISO:6400

この夜最後の撮影です。M27は色が綺麗で好きな天体です。もう少しアップで撮れるといいのですがね。
この日は3時には薄明が始まってしまうので、これで撤収しました。

室根山の改めての印象なのですが、南東から南にかけては気仙沼市と旧室根村の市街地の明かりが高さ30度位まではちょっと気になります。

まあ、何とか夏の銀河にある天体も撮れるとは思いますが、そちら狙いだと南に市街地が存在しない牡鹿半島先端とかの方がいいのかもしれません。

ただ、キャンプ場の灯りが影響していた可能性もあります。実は帰りに室根高原牧場の方を回ってみたのですが、そこに街灯のない大きな駐車場があったので、そちら方面も試してみる価値はあるなと思いました。

というわけで、春の系外星雲をいろいろ撮れて結構満足な撮影でした。次は夏の銀河の天体を狙ってみたいと思います。

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2014年5月 4日 (日)

高感度撮影を考える

冬の間、どうも天候が優れなかったのですが、4月中旬以降、ようやく安定した晴れ間に恵まれたので、撮影をしてきました。とりあえず2枚ほどアップします。

140425m10631
撮影日4月24日22時10分 撮影地 川崎町安達 露出60秒×8枚加算平均でコンポジット。ISO12800 LPR-Nフィルター使用

140504m10641
撮影日5月4日0時32分 撮影地 室根山 露出75秒×8枚加算平均でコンポジット。ISO6400

共通:
鏡筒:BORG100ED+0.78倍レデューサー(焦点距離500mm F5)
カメラ:K-5Ⅱs
ビクセンGPD赤道儀でノータッチガイド

ちなみに、川崎町安達は結構光害もあるのですが、LPR-Nフィルターを使用したことと、比較的北天は光害の影響が少ないことも合って、空の状態は画像にそれほど悪影響を与えませんでした。

両者比べると、やはり5月4日の画像の方が感度を下げた分、描写が細かくなっていると思います。

元々K-5Ⅱsを買ったのは、ISO12800でも比較的細部まで描写できるという評判を聞いて、高感度ノータッチガイドで気軽に系外星雲を撮ろうという目論見がありました。

ところが、テスト撮影で馬頭星雲を写してみると、馬の頭がはっきり出ません。

最初はGINJI-150FNの調整不足かと思っていました。実際、なかなか扱いづらい鏡筒で、とりあえず手堅く撮影できるBORG100EDを現役復帰させました。

ある日、家の中でISO800から51200まで感度を変えて同じ対象(お花)を撮影したら、やはり感度が低い方が解像度が高かったです。当たり前ですが。

ちなみに、一緒に試したEOS KISS X6iでは、ISO12800になると一気に解像度、ノイズの破綻が進むのに対し、K-5Ⅱsの場合、比較的解像度の低下は少ない印象があります。ただ、一方で、ISO6400の場合はX6iとK-5Ⅱsの差が意外に少なく、X6iでもコンポジットのベースとしては十分使えるという印象です。

天体写真を撮影する場合の感度の選択としては、画質と手軽さのバランスで決まると思いますが、ISO12800ですと、やはりISO6400よりも細部の描写が不明確になります。

個人的な感想としては、ISO800に近い描写をコンポジットで得られるのは、無理して6400が限界、できれば3200にとどめておきたいといった印象です。

ただ、3200だと、自分の光学系だとノータッチガイドには厳しいです。多分、系外星雲を狙うとすると、適正露出は4分程度だと思います。GPD赤道儀の場合は、焦点距離500mmでのノータッチガイドは1分程度に抑えたいところです。そうなるとISO6400でもちょっと厳しいところはあって悩ましいところです。

(5月6日追記)
天体写真の適正露出というのは一概に言えないところですが、どこかのHPで、M31を撮る際、F5の光学系の場合、ISO800で15分というのを目安にしているのを見かけたことがあります。

この場合、ISO400に当てはめると30分が適正値となりますが、自分が学生の頃、観測所のMT200+レデューサー(F4.8)で系外星雲を撮る場合、30分を目安にしていたのと大体合致していて、なんとなく納得できる露出時間です。

ただ、この計算だとISO6400の場合だと2分弱になってしまうので、やはりノータッチガイドだと少々厳しいです。

GINJI-150FNであればF値が4なので、72秒が適正値となり、成功率は結構上がるような気もします。星像とか光軸の問題はありますが、改めて活用を考えた方がいいのかもしれません。

 

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