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2014年6月

2014年6月 7日 (土)

SynScan On GPの取り付け

GPD赤道儀の場合、現在はビクセン純正の自動導入装置は販売されていませんが、数あるコピー商品を逆利用して、結構リーズナブルに自動導入装置を取り付けることが出来ます。

というわけで、SynScan On GPを「星見屋」さんから購入し、今日取り付けを行いました。

今回購入したのは、GP用モーターカバーがセットになったもので、お値段は送料とか全部入れて55,000円弱です。

取り付けですが、基本的にはボルトオンです。ただ、SynScan On GPのモーター付属のギアが、赤道儀付属の平ギアと歯数が合いませんので、赤道儀側の平ギアも交換する必要があります。

交換用の平ギアもSynScan On GPに付属してきますが、結構穴が小さくて、そのままだと赤道儀側のギアの軸に上手く入らないので、注意が必要です。結構微妙な差なので、タミヤのコンパウンドで軸を磨いたら、なんとか入りました。

というわけで、ボルトオンとはいえ、ビクセン純正部品のようにすんなり交換というわけには行かないようなので、上手くいかない場合には現物合わせでなんとかする必要があると思います。

商品の説明文も、GP用モーターカバーの交換についての注意事項については同梱されていますが、肝心の機材取り付け全般については付属されていません。

というわけで、ある程度赤道儀の構造について理解している人向けの商品だと思います。なお、必要な工具についてはしっかり入っているし、予備のネジ等も揃っているので、かなり良心的な商品だと思いました。

Img_28791
取り付け後の全体写真です。純正の場合、コントローラーから赤緯、赤経モーターに直接配線が伸びていたので、配線がごちゃごちゃしていたのですが、SynScan On GPの場合、赤緯モーターへの配線が赤経モーターを経由しているので、とても配線がスッキリしていると思います。トラブルも減りそうです。

ちなみに、本格セッティングはこれからですが、少しモーターを動かしてみたら、結構高速でちゃんと動いて一安心です。音は結構高周波ですが、不快な音ではありませんし、それほどうるさくもないと思います。

なお、今回、SynScan On GPを入れた理由ですが、どちらかというとPECを入れたいというのが大きいです。

系外星雲をうちのBORG100ED+0.78倍レデューサーで撮影する場合、画質の面からはISO6400で最低2分は露出したいし、欲を言えばISO3200に落として、最大5分程度ガイドできればいいと思っているのですが、今のシステムだと少々厳しいです。ただ、この位の時間だとオートガイドを入れるのも大げさかな、というのもあり、まずはPECを試してみようと思っています。

もちろんオートガイドも考えたのですが、現在のGPDのコントローラーはDD-1で、オートガイド端子がありません。現行品のDD-3にはオートガイド端子がありますが、コントローラーだけでも15,000円ほどします。それだったら、いっそもう少しお金を出して、オートガイド端子だけでなく自動導入+PECも付属しているSynScan On GPを取り付けてしまおう、ということにしました。

というわけで、無事取り付けもできたし、晴れ間が待ち遠しいです。でも仙台は梅雨入りしたばかり、次に晴れるのはいつでしょう?


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2014年6月 1日 (日)

蔵王での撮影(5月31日)

今週末も撮影です。今年初めての蔵王です。

金曜の夜の出撃も考えたのですが、仕事の後だと体力的にきついのと、どうも透明度が悪そうだったので、そのあたりを行かない理由にして(笑)、土曜日のみの出撃となりました。

今回は、賽の磧駐車場での撮影です。ドブソニアンでの観望とか、自分と同じK-5Ⅱsでの撮影とか、何人か観測されている方がいました。同好の人がいると、なんとなく心強いです。

ここはエコーラインのすぐそばなので、車のライトが影響しがちなのが欠点です。(ただ、長焦点での撮影の場合は、意外に影響しません。)

蔵王の場合、刈田岳の駐車場や刈田峠駐車場も同じ課題があります。大黒天とか澄川スキー場駐車場とかなら県道から少し離れるので影響が少ないのですが、今回はどちらも入れませんでした。

あと、刈田岳の駐車場などは標高が高いだけあって、結構ガスをかぶったり、天気が安定しないというデメリットもあります。

22時30分ごろに着いてみると、風が意外に強かったのですが、撮影に差し支えるほどではありません。かえって、結露の心配がなくてありがたいくらいです。

この夜は、12時30分から一時間位薄雲がかかったのですが、また回復してといった状況でした。GPVの予報より2時間位遅れて雲がやってきた印象です。

というわけで、今回はアンタレス付近からスタート。機材は前回と全く一緒です。

カメラ:PENTAX K-5Ⅱs
レンズ:タムロン70-200mmF2.8(A001) 絞り開放
GPD赤道儀で電動追尾(ノータッチガイド)

1405311_2

撮影日時:5月31日23時39分
露出:30秒×8枚コンポジット
ISO:12800

次が、おなじみ北アメリカ星雲
1405311_3
撮影日時:5月31日23時39分
露出:30秒×8枚コンポジット
ISO:12800

特に北アメリカ星雲に関しては、前回の神割崎のときとはまるで写りが違うので正直驚きました。神割崎は標高20mくらい、それに対して賽の磧は1200m位という標高差による透明度の違いが聞いているのかもしれません。これ位写るとやはりK-5Ⅱsを買って良かったなと思います。

ちなみに、今回、カメラの設定を間違って、全てRAWでなくJPEG画像で撮ってしまったのですが、自分の場合、撮って出しの画像をまずYIMGでコンポジットして、TIF画像に変換してからLightroomで仕上げるというやり方をしているので、意外に影響がありませんでした。まあ、細部の描写とかで細かな影響はありそうですが。

あと、今回は、K-5Ⅱsを買ったときのコンセプトに立ち返って、ISO12800を基本にしています。

前にも少し書いたのですが、解像度とかノイズの面では、本当はもう少し低い感度を使った方がいいのかと思っているのですが、実際に撮影してみると、ISO3200と12800の画質の差を意外に感じないのと、露出不足の画像だと画像処理の過程で結局画質が劣化してしまうので、まず限られた時間の中で露出を最大限かけた方がいいのかな、と思い直したのがその理由です。

その結果ですが、画像処理で無理をそれほどかけなくてもいいので、以前より見栄えのする画像になったという印象があります。これであれば、当面はISO12800を基本にして良さそうです。

特に、アンタレス付近については、低空で福島市の光害の影響もある中で、結構色彩豊かな画像が撮れたな、と個人的には満足です。まあ、結構彩度とかいじりまくったのですが(笑)。

次は、BORG100ED+笠井トレーディングの0.6倍レデューサーでの撮影です。ビクセンVSD100F3.8への挑戦です(笑)。対象は網状星雲です。
1406011
日時:6月1日1時36分
露出:50秒×8枚コンポジット
ISO:12800
(露出は1枚当たりあと5秒位かけても良かったかもしれません。)

この画像だと良く分からないところはありますが、周辺の星像は結構盛大にコマ収差が出ています。つまり、こういうメインの被写体が周辺にある場合には全く向かないです(笑)。やはりあちらは高いだけのことはあります。あと、露出が1分近くになるとやはり追尾が怪しい感じです。撮影中に赤道儀の三脚に足がちょっとぶつかったので極軸がずれたかもしれません。

ただ、大伸ばしとかしなければ結構見られる画像は撮れそうで、個人的には満足です。なお、北アメリカ星雲でもそうですが、K-5Ⅱsの場合、赤い星雲が紫系に写る傾向があるような気がします。画像処理の癖とかもあるのかな?

というわけで、危惧していた透明度もそれほど影響なく、南天の撮影にも目処がついてと、なかなか満足のいく出撃でした。夏場はやはり蔵王がメインの観測地になりそうです。時間的には帰路で神割崎が約70分、蔵王だと50分位ですが、高速道路を使わないのでお財布にもやさしいのはやはりありがたいです(笑)。

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