蔵王での撮影(9月20日)
GPDに導入した、Synscan On Gpですが、これまで何度もPECトレーニングをしたのですが、結果が思わしくありません。PECモードより普通の恒星時モードの方が星が流れない有様です。どうも、PEC補正と実際のピリオディックエラーが上手く合っていない感じがします。
というわけで、PECをいったん諦めて、ISO12800での撮影を行ってきました。場所はいつもの蔵王賽の磧ですが、他に観測者もなく、ちょっと淋しかったです。あと無茶苦茶寒かった!
まずはすばるです。
カメラ:PENTAX K-5Ⅱs
撮像鏡筒:BORG100ED+笠井0.6倍レデューサー(384mmF3.8)
GPD赤道儀で電動追尾(ノータッチガイド)
撮影日時:9月20日23時46分
露出:60秒×12枚コンポジット
さすがに12枚もコンポジットすると、ISO12800とはいえ、だいぶ画像の荒れは目立たなくなります。もう少し青い反射星雲が写るといいのですが。
ちなみに、今回からYIMGでダーク補正とフラット補正を行っています。
ダーク補正については、撮影前に、望遠鏡に蓋をして実際の撮影時と同じ時間だけ露出をかけた画像を何枚か撮って、YIMGでの処理時に「ダークファイル設定」をするだけです。こっちはどうも効果がよく分かりません。自分の場合、露出時間が短いので、あまりダークノイズも出ていないような気もするし。
フラット補正については、こんな手順です。
①同じ光学系で青空の画像を撮る(周辺減光が出るようにほどほどの明るさで撮ります。感度は撮影時とそろえなくても良さそうです。自分の場合、ISO160で撮ってました。)。
②YIMGの「シャープ/スムーズ処理」で平滑化する。
③白黒化する。
コンポジットを終えた天体画像にYIMGの「バックグランド補正-バックグランド補正(画像データ)」で、さっきの前処理を終えた画像を乗算補正する。
以下に処理の有無による違いを載せておきます。対象はM33で、光学系はさっきのすばると共通です。
共通
撮影日時:9月20日23時46分
露出:45秒×8枚コンポジット
こちらがフラット補正を行わない画像です。
こちらが処理を行った画像です。
明らかに四隅の周辺減光が少なくなっています。完全に補正できたわけではないのですが、お手軽な割に結構効果があるな、と思いました。
それにしても、フリーソフトなのに一通りの画像処理ができるYIMG、恐るべしです。
他に撮影した画像も掲載します。
以下は、レデューサーを0.78倍に換装し、焦点距離500mm F5で撮影しています。
SYNSCANを駆使して、自動導入でどんどん入るので、効率はとても良くなりました。スリースターアライメントだと、対象が大体視野内に入っているので、構図の微調整を行うだけでいいので、とても楽です。
NGC253
撮影日時:9月21日0時42分
露出:45秒×8枚コンポジット
NGC6946,6939
撮影日時:9月21日1時17分
露出:45秒×8枚コンポジット
NGC6946の方は、宇宙博2014でやたら華やかな画像が展示されていたので、自分でも写してみましたが、雲泥の差のある画像になってしまいました。焦点距離が最低でも1,500mmは必要そうです。
NGC253の方は、まずまず満足していますが、両方とも、等倍でチェックしてみると、やはり少しガイドずれを起こしており、ノータッチガイドの限界を感じます。やはり、もう少し露出をかけたいのが正直なところです。オートガイダーの導入を考えた方が良さそうです。
ちなみに、9月下旬ということで、もう2時位になるとオリオン座の天体が撮れるようになります。こうなると、どうしてもM42とかに目が行ってしまいます(苦笑)。
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