低感度一発撮りvs高感度加算平均(ただしそれなりの高感度版)
2015年最初の記事は、天体写真の感度別での撮影結果についてです。
「低感度一発撮りvs高感度加算平均」については、天文ガイド2014年1月号で結構詳しく特集していて、ノイズ、微光星の写り共に高感度加算平均の方が有利といったニュアンスの結果となっています。
しかしながら、この特集では、高感度といってもISO1600です。最近の機種だと最高感度25600とか当たり前なので、もう少し高感度でテストしてほしかったのが正直な印象です。うちのK-5Ⅱsでも最高感度は51200だし、α7Sに至っては、最高感度が409600もあるし。
1月10日にラブジョイ彗星(C/2014Q2)を撮りに行ったのですが、この際は月が21時過ぎには上がってきてしまうので、暗夜が3時間ほどと、あれこれ撮るには中途半端な時間しかありませんでした。そこで、いい機会とばかり、ISO3200,6400,12800の3段階で試してみることにしました。
もっと高感度で試してもいいのですが、K-5Ⅱsの場合、ISO25600以上だと印象として細部描写が目に見えて劣化するので、12800を上限にしました。
レンズはタムロン70-200mmF2.8(A001)絞り開放。撮影地は神割崎です。
すべてQHY5IL-IIMでオートガイドしています。ISO12800とかの場合、ノータッチでも問題なさそうですが。
まずはISO3200です。露出は2分。2枚加算平均しています。
最後はISO12800。露出は30秒。8枚加算平均です。
コンポジットはYimgで行い、Lightroomで同期を取って全く同じ画像処理をしています。そういえば、ラブジョイ彗星って星ナビだと「ラヴジョイ彗星」になっていますが、どちらが正しいのでしょうか(笑)。
感想ですが、尾の描写とか、ノイズ感とかどれもあまり差がないよな、というのが正直なところです。
これなら彗星に関しては感度を上げてコンポジットした方がガイドずれも少ないし、1枚当たりの彗星の動きも抑えられるし、いろいろ有利な感じもします。まあ、露光量からいえばISO12800の場合、3200の4倍かけている計算にはなるわけですが。
ちなみに、1枚撮り同士で比較すると、細部描写、ノイズ共に見事に3200>6400>12800といった感じでした。まあ当然かもしれません。
というわけで、感度を上げてみると、今回に関しては、低感度一発撮り=高感度加算平均といった結論になりました。(厳密には低感度もコンポジットしちゃったな。)
そういえば、ラブジョイ彗星って星ナビだと「ラヴジョイ彗星」になっていますが、どちらが正しいのでしょうか(笑)。
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